パオは、日産が1989年から1991年まで日本で発売したコンパクトカーです。1987年発売のBe-1、続いて登場した日産のマーチベースのパイクカーシリーズの第2弾として登場しました。パイクカーとは、少量生産を前提とした遊び心のある「尖った(鋭い)」感覚のクルマの総称です。車名の由来は中国語の包(パオ)からで、モンゴルの遊牧民の「組立式家屋」を意味しています。
パオは1987年の東京モーターショーにコンセプトカーとして出展後、1989年1月に発売されましたが、Be-1とは異なり、3ヶ月間予約を受けた後に全数を生産と納車をするという手法が採用されたことでも話題を呼び、その結果、総生産台数は3万台あまりに上ります。
車両のベースは引き続きマーチ(K10型)ですが、内外装ともに「冒険心」をテーマにしたレトロ調の内外装が特徴で、ボディサイズは全長3740mm、全幅1570mm、全高1480mmとコンパクトです。
エンジンはMA10S型(直4・OHC)の987ccを搭載。最高出力は38kW(52ps)/6000rpm、最大トルクは74N・m(7.6kgm)/3600rpmと小柄ながらもパワフルで軽快な走りを可能としています。
またサスペンション(前/後)はストラット/4リンク、ブレーキ(前/後)はディスク/ドラムを設定。安全で安心できる安定した走行を心強くサポートします。
現在の日産のパオの中古車価格は、平均で約74万円です(2020年4月調べ)。根強い人気を持つクルマなので、良好なコンディションの車体を見つけたら早期購入を検討しても良いでしょう。