プレーリーは、日産が1982年から1995年にかけて発売したミニバンです。プレーリー発売以前の1980年代初期にはミニバンというカテゴリーが存在せず、多人数が乗れるクルマといえば「バネット」や「キャラバン」のようなワンボックスワゴンがあるだけでした。そのような中、プレーリーは1982年8月、それまでなかった未来型セダン/マルチユースセダンとして、時代を先取りした形で発売された「世界初のミニバン」です。
駆動方式はFF(フロントエンジン・フロントドライブ)を採用。低くて平らなフロア、センターピラーのない大きな開口部のボディと両側スライドドアの採用で、従来の乗用車では実現できなかった優れた乗降性を実現し、併せて多彩なシートアレンジも可能にするなど、まさに今日のミニバンの草分け的な存在でした。プレーリーJW-Gには、8人乗りと5人乗りのセダン、3人乗り+400kg積と6人乗り+200kg積エステートの2タイプがありました。
エンジンバリエーションは1.5リッターのE15Sと1.8リッターのCA18型の2種類。車体は全長4350mm、全幅1690mm、全高1625mmと、ゆったりとした室内空間です。荷役性の向上を図るため開口見切りを大きく下げ、バックドアがバンパーごと開口する画期的なアイデアも採用されました。また、2列目シートが2名分回転する「回転対座シート」のオプション仕様もありました。現在、プレーリーは市場に出回る台数が少ない状態となっています(2020年4月調べ)。もし購入を検討されている方は、プレーリーに出会えた場合、早めのチェックをおすすめします。